レストラン・ジョルジュマルソー

九州は福岡でしか食べられないフランス料理はここにあります。

佐賀県『富田農園』さんを訪ねて

先日の店休日を利用して、佐賀県にある

「富田農園」さんにお邪魔いたしました。

 

 

 

ジョルジュマルソー・グループでは数年前から
こちらで育てられる「ビオレ・ソリエス」という

黒イチジクを使わせてもらっています。

 

 

このビオレ・ソリエスはフランスが原産で、

糖度が高くねっとりとした食感が特徴です。
しかし日本では気候や土壌の問題からか栽培が非常に難しく、

国内では数えるほどしか生産者がいません。

 

 

富田さんはそんなビオレ・ソリエス生産の先駆者であり、作り始めて十数年。
『最初の5年は全く実が生らなかった』

との事で、自暴自棄になりかけた時期もあったそうですが、

強い想いをもって試行錯誤を重ね、

9年の月日を経てようやく収穫、

出荷できるまでになったそうです。

 

 

このイチジクを育てる為の取り組みはとても手間と時間が掛かっており、

毎日休まず、というよりも一日の大半を畑で過ごされているそうです。

 

『イチジクは手を掛けて掛けすぎることはない』という富田さん。

イチジクにたっぷりの太陽光を当て、

風通しを良くするために枝の一本一本に紐がかけてあり、

その長さは約18km(!)にも及ぶそうです。

 

 

個々で熟すタイミングが違うために収穫は毎日、それも全て手作業。

中には虫食いの被害が出たり、雨や台風などが来れば収穫できなかったりと、

その苦労は絶えません。

 

そうした商品にならないイチジクを簡単に捨てるわけにはいかないと考える富田さんは、

たっぷりと甘みを含むセミドライや、より保存の効くドライに加工するなどして、

自身が命をかけて育てたイチジク全てを『商品』として届ける取り組みをされています。

 

『色々なものに興味を持ってしまう』と仰る富田さんはその他、

こちらも国内でほんの数本しかないとされてきた『シナモン』の栽培、

食用ではなく主に観賞用として珍重される『仏手柑』、

香り豊かな『ベルガモット』、

幻とまで言われた香酸柑橘『ゲンコウ』など、

珍しいものをたくさん育てていらっしゃいます。

 

 

 

『誰もやっていないことをやれば一番になれる』

 

そう語る富田さんの目はこちらがたじろいでしまうほどに真っすぐ。
その過程を聞くと、さらに重みのある言葉として響きます。

 

 

シェフ・小西も驚きながら、時に共感しながら聞き入っておりました。

 

生産者の方を訪ねることで、私たちもやるべきことが見え、

活力を頂くことができます。
富田さん、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

およそ9月中旬ごろから10月下旬ごろまでの間、

レストラン・ジョルジュマルソーの料理、

パティスリー・ジョルジュマルソーのケーキで

このビオレ・ソリエスがお楽しみ頂けます。

是非、お越しくださいませ。

 

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