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「小麦粉」と「スイーツ」が導いた高校生との交流

まちおこしの中心にあるのは「小麦粉」

現在、福岡県うきは市では、小麦粉を中心としたまちおこしが進んでいます。うきは産100%の小麦粉は、石臼で挽いているため、きめ細やかで口どけが良いのが特長。うきは小麦新商品開発協議会は、この小麦粉を使った商品の開発に取り組んでいます。実は、ジョルジュマルソーのシェフも、そこに一役買っています。

高校生たちのスイーツづくりを指導

ことの発端は、うきは小麦新商品開発協議会の会長も務める、うきは『小麦』活性化プロジェクト代表の松尾潤一さんと、ジョルジュマルソー総料理長の小西晃治シェフが旧知の仲だったこと。

「うきは産小麦を使って、福岡県立浮羽究真館高校の学生たちにスイーツをつくる指導をしてくれないか」

2022年、小西シェフは松尾さんから、こんな依頼を受けます。小西シェフは、「香りが立って味もいい」という、うきは産小麦の質の高さと、次世代のスイーツづくりを担う若者たちを支援するというコンセプトに共感。パティスリー・ジョルジュマルソーの江藤元紀シェフパティシエとともに、月に一度、浮羽究真館高校に足を運んで、学生たちのスイーツづくりを指導することになります。

材料はうきはの地元食材と小麦

これまで実習では、、フルーツクレープやかぼちゃシュークリームなどをつくってきました。どれも、うきはの地元食材とうきは産小麦を使ったスイーツです。レシピは学生たちが考案。小西シェフと江藤シェフは、そのレシピにのっとって、学生たちに作業を割り振り、要所要所で、おいしくて見た目も美しいスイーツをつくるコツを伝授していきます。

反対に、シェフたちが学生たちから刺激を受けることも少なくないようです。「高校生は、大人では考えつかないような斬新な発想が浮かぶんですね」と小西シェフ。

江藤シェフは、純粋にスイーツに向き合う学生の姿に感銘を受けました。「スイーツづくりの腕前もどんどん上達しています。こちらも教える甲斐があります」

実習の締めくくりは、つくったスイーツの試食。テーブルについてスイーツを頬張る学生たちの顔には思わず笑みがこぼれます。

「学生たちの笑顔は、僕がパティシエになろうと思った原点を思い出させてくれます。食べた人を笑顔にするのがスイーツなんですよね」と江藤シェフは話します。

さらに広がるうきは小麦の可能性

究真館高校の学生たちは、うきは小麦を使った新商品開発にも参画します。2023年には、小西シェフ、江藤シェフの指導のもと、農林水産省が所管する新商品開発事業にブラウニーを出品。この事業で高校生が発案して商品化した例は、全国でもないそうです。

うきはの小麦は、食品にとどまらず食器やバイオ炭など、さまざまな形での6次産業化を視野に入れています。うきはの小麦の可能性が広がると同時に、究真館高校の学生たちの将来が拓けていくことを小西シェフも江藤シェフも願っています。

「一人でも二人でも、ここで指導した高校生がパティシエの道に進んで、うきはでうきはの小麦を生かしたスイーツのお店を出してくれると嬉しいですね。そうやって地元に根付けばまちおこしにも繋がります」と江藤シェフ。小西シェフは、「小麦を使ったスイーツがうきはを支える産業に発展する可能性もある」と壮大な夢を描きます。

今後も、うきはの小麦の展開には目が離せません。うきはの小麦は、パティスリー・ジョルジュマルソーのギャレットブルトンヌに使用しています。ぜひ、お試しください。

うきはの小麦 強力粉
うきはの小麦 中力粉
うきはの小麦 薄力粉

二人の新たな門出を彩るウェディングケーキ