リクエストに添いつつ創意を凝らす
パティスリー・ジョルジュマルソーでは、ウェディングケーキの制作も承っています。新郎新婦のリクエストに応えながらも、より華やかでハッピーなケーキとなるように、パティシエは創意工夫を凝らします。その制作過程を覗いてみましょう。
クリームで繊細にデコレーション
通常、新郎新婦と結婚式場のウェディングプランナーが相談して、ケーキのデザインを決め、発注書としてパティスリーに送られてきます。この日のオーダーは「イチゴをふんだんに使って、アクセントで緑色のものをあしらってほしい」というもの。このリクエストを元に、パティシエはケーキのデザインを考えます。
今回担当した千川パティシエがキッチンに入ったのは、結婚式場にケーキを送る1時間前の朝9時。土台は前の晩に用意しておきます。まずは、クリームでデコレーションしていく作業からスタート。かわいらしいクリームの飾りは、ケーキの側面にも施されます。
イチゴを贅沢に散りばめていきます
次はフルーツの飾りつけ。今回使用するのは、イチゴとブルーベリー、ラズベリーです。まずはイチゴから。1個1個ナパージュでコーティングしツヤを出してから配置していきます。ところどころに半分にカットし組み合わせたイチゴを置きます。よく見ると、イチゴがハート型に! こういったデザインはパティシエの個性によって変わってきます。
この日ケーキに載せたイチゴは、全部で85個。ケーキのトップにもイチゴの山が。
「新郎新婦のお二人に喜んでもらいたいので、ついついたくさんのせてしまうんですよね」と千川パティシエは話してくれました。
一番緊張するのは最後の仕上げです
ブルーベリーとラズベリーもバランスよくケーキの上に置いていきます。イチゴとラズベリーの赤とラズベリーの紫が好対照。新郎新婦からのリクエストにあった「緑色のもの」は、スペアミントとセルフィーユを使いました。華やかななかにもナチュラルな雰囲気が醸し出されます。きっと、新郎新婦のお人柄を反映したデザインなのでしょう。
千川パティシエは、この最後の仕上げが一番気を遣うそうです。
「発送の時間が迫っているので、万が一失敗するとリカバリーする時間がないんです」
今日は順調にデコレーションが進み、発送の時間前に仕上げることができました。
パティシエたちは、ウェディングケーキのオーダーをいただくたびに、新郎新婦のお二人の幸せな結婚生活を祈って、一つ一つ丁寧に仕上げます。このケーキを召し上がって、新郎新婦はもちろん、参列者のみなさんもハッピーな気持ちになっていただけますように。